乳酸菌生産物質の可能性
乳酸菌生産物質とは、カラダに有益な物質をつくりだす腸内の善玉菌(乳酸菌)群が発酵する際に生産し、分泌する物質の総称です。乳酸菌を含む食品をとりいれると、腸内の乳酸菌群は一時的には増えますが、元々腸内に棲みついている乳酸菌ではないので、その多くが定着することなく、便として体外に排出されることになります。
つまり、体外に排出されず、定着することに成功した一定の乳酸菌が後に乳酸菌生産物質を排出、我々のカラダを健康的にしてくれているというわけです。
これでは、少しもったいない感じがしてしまいますよね。なので、最初から乳酸菌生産物質を摂取することが、一番、乳酸菌の恩恵を受けられる方法となるわけです。
ただし、乳酸菌生産物質は食べ物では摂れません
乳酸菌が生きた生物であるのに対し、乳酸菌生産物質は生物ではありません。なので、口から入って腸に達するまでの間に死滅しないというのが、最大の強みです。また、腸に達しても腸内細菌の影響を受けないので、腸内状態にかかわらず、効果を発揮してくれます。ただし、先に記載したように、乳酸菌生産物質は乳酸菌自体から生み出される物質です。これ自体は食べ物から摂ることができませんので、精製されたサプリメントから摂取する必要があります。
腸内細菌が最初に発見されたのは…
腸内細菌の発見は、「微生物学の父」とも称されたオランダの科学者:アントニ・ファン・レーウェンフック(Antonie van Leeuwenhoek)によっておこなわれました。彼は1674年から、自分で制作した顕微鏡を使って、環境中のさまざまなモノを観察し、過去、多くの細菌を含めた微生物を発見しています。その中で、人や動物の糞便についても観察し、腸内細菌をスケッチしています。
腸内細菌がカラダに健康であることが確認されることとなった発端
腸内細菌は、大きく分けて、健康維持に貢献する善玉菌と害を及ぼす悪玉菌に分類されます。
この考えはロシアの微生物学者であったイリヤ・メチニコフ(Ilya Ilyich Mechnikov)が発表した「自家中毒説」から始まっています。彼は、小腸内で毒性を発揮する化合物(悪玉菌)が産出されていることを発見。悪玉菌が腸から体内に吸収されることがさまざまな疾患や、老化の元であると考えました。
「腸内の腐敗は寿命を短くする」という仮説を立て、腸内腐敗を予防すれば老化現象をある程度抑制できると、長寿国であったブルガリアで、ヨーグルトが広く摂食されていることを発見。善玉菌である乳酸菌(ブルガリア菌)を接種することによって、腸内の腐敗物質が減少することを確認しています。
乳酸菌生産物質の種類
「プロバイオティクス」
- 服用した菌が生きたまま腸まで届くこと
- 腸で有益に働くこと
- 2種類以上の菌の組合せからなること
- 組み合わせた菌同士が共生力を発揮できること
- 腸内細菌のバランスを整える作用があること
プロバイオティクスに使用される菌種
- ラクトバチルス
- エンテロコッカス
- ビフィドバクテリウム
- バチルス
- クロストリジウム
- 酵母類
「プレバイオティクス」
- 消化管上部で分解・吸収されない
- 大腸に共生する有益な細菌の選択的な栄養源となり、それらの増殖を促進する
- 大腸の腸内フローラ構成を健康的なバランスに改善し維持する
- 人の健康の増進維持に役立つ
「バイオジェニックス」
従って、疾病に対して直接的・間接的の両面から効果を発揮するのがバイオジェニックスのメリットなのです。
そのため、抗ストレスをはじめとする生体調節機能や、免接賦活・抗アレルギーといった生体防御機能、抗腫瘍効果、血圧降下や血糖低下作用、コレステロール低下作用に代表される疾病予防や疾病回復作用など、下の図のような幅広い機能性が期待できるわけです。

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